ロマンス小説の七日間 (三浦しをん)

みゅーたろー

2010年03月24日 14:09

ボーイフレンドとの同棲中のあかり。彼の突然の会社辞めた宣言。ロマンス小説の翻訳を受けたが、現自分の気持ちを小説の人物にぶつけ、原作からどんどんかけ離れて創作されていってしまう。現実と中世の二つの話が互いに・・・ロマンス小説の七日間 (角川文庫)

私のよかった度 ★★★★★★★☆☆☆


現実の同棲生活の話と中世騎士のロマンス小説が、1章ごとに交互に書かれていきます。主人公のあかりいわく、ハーレクイーンロマンス風な小説らしいのですが、このお話も私的には面白いです。しかし、これがだんだんと原作から離れていき、あかりの創作が入り出すんですよ。三浦しをんさんは、BL(ボーイズラブ)も好きで趣味は妄想だと言ったこともありますよね。

主人公のあかりは28歳、三浦しをんさん書いた年が28歳くらいです。もしかして自分の私生活を元にして書いたのでは?とか思ってしまいました。自身の趣味の妄想が主人公あかりに投影したのかなあぁ。ボーイフレンドとの鬱憤(?!)をロマンス小説にぶつけて、どんどん妄想っぽい展開になっていくのが読んでいてどきどきします。もう途中でありえないようになっていくんですよ。

最後は女性の目線、女性が思うラストシーンなんでしょうね。男の私は何となく・・・


価格:
角川書店(2003-11)
売り上げランキング: 93723
おすすめ度の平均:
企画倒れ
うっとりとツッコミの絶妙な塩梅
これが一番好き!
ロマンス小説
アイデア倒れ



>>三浦しをん:ウィキペディア(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%B5%A6%E3%81%97%E3%82%92%E3%82%93

風が強く吹いているは、小出恵介くん主演で2009映画化されました。小説も映画も傑作だと思います。ランニング好きの私は感じるものがありました。



三浦しをんさんは、おそらく太宰治のこのお話に影響を受けたのかもしれません。太宰治のこちらの本も読んでみてください。太宰治一流のロマンスの表現の傑作です。兄弟がロマンス物語を順に書き連ねていくという話です。三浦しをんさんは太宰のこちらをモチーフとされているのかもしれません。
ろまん燈籠 (新潮文庫)




▼私が読んでよかったと思う、三浦しをんさんの本です。

三浦 しをん
新潮社
2009-06-27
おすすめ平均:
読み終えるのがもったいない
箱根駅伝って
スラムダンクのような小説
三浦 しをん
文藝春秋
2009-10
おすすめ平均:
続巻期待。
番外地とはいえうっすら続きあり。
うまい。
三浦 しをん
新潮社
2005-03
おすすめ平均:
穏やかにカクトウしていくお話。
下手です。
なつかしの就活
三浦 しをん
幻冬舎
2008-02
おすすめ平均:
それなりにうまい掌編集……と思いきや。
ダーク三浦しをん
読み物としての面白さが加速してゆく
三浦 しをん
新潮社
2007-02
おすすめ平均:
思春期の女子高生
小説家の三浦しをんを知るのに最適な一冊
箱庭。
三浦 しをん
徳間書店
2009-05
おすすめ平均:
なあなあで生きていこう。
おお林業!へいへいへほー
気分はなあなあ
posted by Amazon360



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