2010年12月19日

齋藤智裕 KAGEROU

ちょうど2時間で読めました。とにかく読みやすい読み進めやすいです。活字も大きめなので読書ってなぁ~なんて思ってる方でもスラーっと読めちゃいますよ。難解な象徴的描写表現も多くなく、登場人物の会話(セリフ)が主体で進められてくので、映画のシナリオを読んでいるかのような本でした。 KAGEROU

私のよかった度 ★★★★★★★★☆☆

齊藤智裕 KAGEROU

この本は面白いです。読後感がとてもよいです。

自殺志願、命の話、テーマは非常に重いですが、この難しいテーマを倫理的や哲学的にならず軽快なスタイルで書き、それでいて軽くならない筆力は魅力です。社会性・愛・家族・いのち、語ろうとするメッセージが多いので、それを凝縮させ物語を展開させていくストーリーテリングは上手いと思いました。

齊藤智裕 KAGEROU

半分くらいまで読んだとき”もしや?”という感じになります。この先ってどうなるの?なんか先が読めちゃうの?って思いましたが、いやいや最後にはそのような・・・

そして最後のページにはちょっとした仕掛けもあります。この仕掛けがなんともお洒落です。この辺りは水嶋ヒロを感じました。読み始めて2時間後にわかります。ふふーん。みたいな。

新人作家らしい初々しさがあります。ぐいっと持っていく展開は強引というより著者の手腕と評価したいですね。今後、書き続けることによってどんどん凄みを増していきそうな作家です。

Amazonカスタマーレビューでは批評が多くなっていますが、私にはなぜそこまでという印象も受けます。読み手次第で分かれるのかな。でも大概の新人作家のデビュー作は粗削りな作品が多いと思いませんか?そいう作品の中でもKAGEROUは興味深い小説だと思います。

早く次の作品が読みたい作家さんですね。齊藤智裕先生。

 
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Posted by みゅーたろー at 16:09│Comments(0)小説・文学
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